松江市でOSSの話をした & Fluentd meetup をやった
なんか最近プレゼンテーションやった話しかエントリに書いていない……。。。
それはともかく、しまねOSS協議会というところから周年記念講演で話さないかというお誘いがありまして、お受けしたので島根県松江市で話してきた。せっかくRuby City Matsueに行くことだしついでにイベントやってこようということで Fluentd meetup in Matsue もやることになり、そんなわけでふたつ発表してきた。
第106回オープンソースサロン・総会記念講演
第106回オープンソースサロン・総会記念講演 | しまねOSS協議会 OS4
しまねOSS協議会ということで、オープンソースソフトウェアの話。
というか、トレジャーデータという会社がOSSを使い倒してビジネスをやってるのは何故なのか、それは内外の開発者にとってはどういう意味があってどう見えているのか、みたいなことを中心に話していた。具体例についてはどっちかというとRubyよりはJava(というかデータ処理ミドルウェア界隈)の話に寄ったけど、一般化できる内容ではあったと思う。
自社サービスの話、USとJPをまたいだ話(採用とか)、業務としてOSSのパッチを書く話など、あれやこれや話してた。質問もいろいろ頂いて、話しに行けてよかった。お呼びいただきありがとうございました。
Fluentd meetup in Matsue
Fluentd meetup in Matsue - dots. [ドッツ]
せっかくなので開催してきた。東京以外でのFluentd meetupは福岡、San Franciscoに続いてのなんと3ヶ所目。とりあえず自分からはFluentdそのものの導入やら最近のユースケースやらアップデートやらをざーっと話すという感じにしてみた。
Fluentdを使ったことがない人もいたので、これはこれでとりあず必要な内容というか。こういう総論的なFluentdの紹介スライドはどっちにしろ定期的にアップデートする必要があって、ちょうどいい機会でもあった。
他の発表も募集したところちゃんと話してくれる人が出てきてくれたので本当によかった。しかも素晴らしい内容だった。
あとFluentdの新ロゴが載ってるノベルティが配られた初のFluentd meetupでもありました。よかったよかった。
Fluentd meetup in Matue #fluentdmeetup pic.twitter.com/jMWBqwcwj7
— tagomoris (@tagomoris) 2016年7月30日
Stream Processing Casual Talks #1 に行ってきた&しゃべってきた
なんか、やろうぜー、という話になってそのような勉強会が行われたので、参加してた。
会場&飲食の提供はYahoo! Japanさん。ありがとうございました。面白かった。
しゃべってきた
Norikraそのものの話はさすがに今更感あったので、Norikraの大事なところと、あとPerfect Norikra (仮)について話してきた。
まあ、まだ1byteも存在しないソフトウェアなんだけどな! 存在しないソフトウェアについて話せるようになったの、ちょっと実績解除感があるのではないだろうか。だめか。
Norikraを分散処理対応にするにはクエリ処理エンジンおよびデータ転送層を丸ごと書き直すしかないなー、しかもそこに色々なアイデアが必要だなとは思っていて、そのうちのひとつであるところの動的スケールアウトには最低限何が必要なのか、みたいな話をしてた。
この他にもまだあれこれ必要なんだけど、この先はどんどん話の前提が増えていくから、さすがに勉強会の単発の発表でやるのはキツそう。というか、書かないとなあ……。
行ってきた
Hadoop Summit での空気感*1とか、Y!Jでの実際のアプリケーションの話とか、その他各ミドルウェアの話とか聞いてた。たのしかったー。
特にPipeline DBの話がじつに面白かった。Norikraと完全に逆の方向を向いてて、RDBMSの外側にハックをかぶせていかにストリーム処理をストリーム処理に見せないか、という方向に突っ走ってた。なるほどなあ、それならJDBC使えるわー。でも自分はそっちの方向には絶対行かないなあ。
そのあとも飲みながらあれこれ話したりとか、じつに面白い勉強会でした。またやりたいですね。
*1:やっぱり各ベンダーの人の話はその意向が出るよなあ、という強烈な印象だけがある……
LinuxCon Japan 2016に行ってきた&しゃべってきた
LinuxCon Japan、今回は ContainerCon Japanとの併催。サブトラックみたいなのもいくつかあった。
とにかく普段に自分が行くカンファレンスとぜんぜん空気が違ってて、東京都内で行われてるカンファレンスなのに会場の感じとか食事・飲み物の提供とか冷房のキツさとか、あれこれがだいぶ海外のカンファレンスっぽい。参加費が高いからできることなんだろうけど。そして海外からと思しき参加者も非常に多かった。すごいな。
日本国内からも大手メーカー系のスポンサードと参加者が非常に多かった。普段見ないあたりの世界だなあ。
しゃべってきた
プロポーザルを出してみたら通ったので初めての参加&発表だった。行ったことないので全体的にどういう空気なのかも分からないまま、初日のキーノート後の通常の発表枠の中で最初に時間だった。お、おう……。
今回はロギングに関してのアーキテクチャを議論するよ、ということで、特にコンテナを使うのが当たりまえという世界でロギングってどうやるんだっけ、どうすればちゃんとスケールさせられるんだっけ、という話をあれこれやった。
実例で特にFluentdを取り上げているけど、話の内容自体は一般論として何でもやれるはず。アプリケーション側をできるだけ単純にしつつ、ログのトラフィックの増大にどう対応するか、ログの種類の増大にどう対応するか、ストレージの性能特性によってどのように構成を考える必要があるか、などなど。
ちょっと英語でのスピーチがうまくやれなかったなと思ってたけど、聴衆から参考になったって感想言いにきてくれた人がいたので良かった。ありがたいことです。
そのほか
最近 Treasure Data が Linux Foundation のプロジェクトのひとつであるCNCFに参加したということもあって、LinuxConの分科会のひとつとしてCNCFのトラックもあって、そっちでは @repeatedly がFluentdの話をしていた。これはこれで、普段リーチしてない層に届いたのかなあ、という感じ。
あとはふらふらと各セッションを巡ってたんだけど、面白いのもあればなんだこりゃ、というのもあった。総じて、うーん、もうちょっとこう……まあカンファレンスごとのノリもあるしね、難しいよね、みたいな感じはする。
そして期間中ひたすら強烈な冷房を浴びつづけたせいか、しまいには盛大に体調を崩してしまった。きびしい。
YAPC::Asia Hachiojiに行ってきた&しゃべってきた
この週末に開催されていた YAPC::Asia Hachioji に参加してきた。2日目は体調崩してダウンしてたので1日目だけだったのが残念だけど、楽しかったー。
yapcasia8oji-2016mid.hachiojipm.org
しゃべってきた
普段あんまりプログラミングテクニックそのものについてはプレゼンをやる機会がないんだけど、Fluentd v0.14で使わざるをえなかったあれこれとか一度しゃべっとくかということで出してたので、やった。主に黒魔術について。なんだろう、使っても許される黒魔術の用途と実践、みたいな感じ?
30分という時間*1で何故そういうハックが必要なのかを説明して実装を説明して、ということになって、また大分駆け足になってしまった。が、後で聞いた感想によると前提の説明があったから良かったという話だったので、まあよかったんじゃないかなー。たぶん。
最近はアーキテクチャの話とかもっとエモめの話とかをすることが多かったので、コードそのものの話はやってて楽しかった。
いってきた
あんまり多くのセッションを聞いてないけど、みんな自分のやったことについて楽しそうに話してるなー、という感じで、参加してても面白かった。
主催のかたがた、たいへんお疲れさまでした!
*1:もっと長い時間で申請しとけばよかったって超思った
Fluentd v0.14.0 をリリースした & Fluentd meetup 2016 Summer をやってしゃべってきた
最近めっきり対外的なアウトプットが減っていたのは、ぜんぶこいつのコードを書きまくってたからです。すごい書いた。
Fluentd v0.14.0 has been released | Fluentd
ということで出ました、Fluentd v0.14.0。だいぶいろいろ良くなってるはずだけど、そのあたりはこれからv0.14対応プラグインが増えてきたりすると分かってくるかなと思う。ユーザにとっても嬉しい変更が山盛りです。
で、まずそのことをアピールしなければならんということで、Fluentd meetupではがっつりとしゃべってきた。
Fluentd meetup 2016 Summer - dots. [ドッツ]
元々45分の予定だったのに90分弱くらいしゃべってしまったらしい。すまんかった。しかし省略できそうな場所が無かった。
これからドキュメントとかいっぱい書くんだけど、他にまだまだ機能を v0.14.x のバージョンで載せていかないとだし、あれこれやるぞー、という気分。ユーザ&プラグイン開発者のみなさんからもいっぱいフィードバックいただけると嬉しいですね!
Travis CI で目当ての言語バージョンとOSの組合せを指定する
世の中のみんなは今日も頑張ってOSSのミドルウェアを書いていることと思いますが、そんな我々に欠かせないのがTravis CIというサービスでして、OSSならCI環境を無料で使わせてもらえる! マジで最高のサービスだと思います。日本からだとUSの人達が元気な時間帯とズレてるせいか、pushしたあとビルドが走るのが早くて本当にありがたい。*1
で、CIを回すからには対象の言語バージョンといっしょにOSの違いも確認したい。標準の環境の Linux (Ubuntu) 以外に最近ではなんとOSX環境もあるので、ミドルウェアプログラミング野郎としてはやっぱり両方で動かしておきたいわけです。言語バージョンももちろんあれやこれや、古いの*2から新しいのまで色々動かしたい。
しかしそこには問題があって、有限のリソースというものがある以上、野放図に指定はできないわけです。
普通にバージョンを指定
単に組合せで指定したい場合は、こう:
# .travis.yml language: ruby rvm: - 2.1 - 2.2.3 - 2.3.0 - ruby-head - rbx os: - linux - osx
この設定を与えると Travis CI は rvm(rubyのバージョン) と os の組合せを掛け算して、5バージョン 2環境 の10ビルドを実行する。ただしこれは失敗してもいいやというものはあって、例えば ruby-head や rbx ではビルドは動かしておきたい、がコケても失敗とは見做さない*3、とかしたいことがある。この場合は allow_failures というやつでその指定をすることになる。
matrix: allow_failures: - rvm: ruby-head - rvm: rbx
ビルド条件をもっと細かく特定して指定
ただしこれも色々あって、言語バージョンの指定が割とざっくり("2.1" とか)しているならいいんだけど、細かくバージョンを指定したくなった場合、実はあれこれ制約が出てくる。Ruby 2.1といっても2.1.xの最新版で実行したいとなったりすると、まずどのバージョンがTravis上で使えるのかを調べる必要がある。Rubyの場合は以下のページ(言語ごとにあるのでドキュメントページから探そう)。
Travis CI: Precompiled Ruby Versions
これを見るとわかるのが、各OSのバージョンごとに使える言語バージョンが決まっている、ということだ。細かい言語バージョンまで指定する場合、それが動く環境を選ぶようにしてやる必要がある。*4
ということで、例えば Ruby 2.1.10 でテストを実行したければ OSX 10.10 もしくは 10.11 を指定する必要がある……んだけど、Travis CIのドキュメントを見てもぱっとわかるページがない。困ってたところ教えてもらった。ここにあった。
Building an Objective-C Project - Travis CI
Objective-C! いやまあ実際にはObjective-C環境もXcode自体も(直接的には)要らないんだけど、これを経由して間接的にOSXのバージョンを指定してやることができる。
これが本当にMacでしか動かないでいいビルドなら設定全体に osx_image を指定してやればいい。つまり、こう。
language: ruby rvm: - 2.1 - 2.2.3 - 2.3.0 - ruby-head - rbx os: - osx osx_image: xcode7.3 matrix: allow_failures: - rvm: ruby-head - rvm: rbx
しかし我々はLinuxでも走らせたいのでこれでは困る。ちなみに上記の設定で単純に Linux でも動かすようにすると*5、以下のようになる(ビルドがこけてるのは別の理由)。もしかしたら実害はないのかもしれないが、キモいしギョッとするのでこれはイヤだ。
ということで、環境の組合せを直接指定することになって、これは matrix のもうひとつの機能であるところの includes を使う。
language: ruby # http://rubies.travis-ci.org/ # See here for osx_image -> OSX versions: https://docs.travis-ci.com/user/languages/objective-c matrix: include: - rvm: 2.1.10 os: linux - rvm: 2.2.4 os: linux - rvm: 2.3.0 os: linux - rvm: ruby-head os: linux - rvm: 2.1.0 os: osx osx_image: xcode7.3 # OSX 10.11 - rvm: 2.2.4 os: osx osx_image: xcode7.1 # OSX 10.10 - rvm: ruby-head os: osx osx_image: xcode 7.3 # OSX 10.11 allow_failures: - rvm: ruby-head
これは勝手な想像だけど、Travis CIの内部的には rvm や os の組合せから matrix を作っているんじゃないかなーという気がする。で、この指定方法はその内部表現(に近いもの)を直接指定していることになる、んじゃないかな、たぶん。
やること自体はこれだけだけど、探し回ってもあんまり良い設定サンプルが無かったので、ここに書いておこうと思った。これで求めているビルド環境の組合せが作れた。
なお、matrixの元になる掛け算対象の設定項目リストは、それぞれの言語のドキュメントページにその名も "Build Matrix" として項目がある。