たごもりすメモ

コードとかその他の話とか。

RedDotRubyConf 2014に行ってきた&発表してきた

シンガポールで行われるRubyのカンファレンス RedDotRubyConf 2014 に出したプロポーザルが通ったので、Fluentdについて紹介してきた。旅費は勤務先のLINE株式会社に出してもらいました。

RedDotRubyConf 2014

RedDotRubyConf のオーガナイザーは配慮がすごくて、accept後の旅行の手配やら向こうでの行動やら、いろいろ気にかけてもらった。カンファレンス前夜のスピーカーディナーとかあるのも個人的にはすばらしいと思う。あれで色々な人としゃべれて、イベントへの入りみたいな気分がかなりできて落ち着けた。

Fluentdは日本国内ではもうだいぶ認知されて使われているようだけど、海外だとアメリカで少し紹介されたくらいで、ユーザも少しずつ増えてはいるけどまだまだ、という状況だと思う。なので敢えて基礎から紹介する、という意味はあるだろうと思う。

実は自分にとってこれはたった2度目の海外旅行、しかも1度目は人に連れていってもらいほぼ着いていくだけ、行き先でもカンファレンス会場のあるホテルに籠もりっきりという感じだったので、海外で街中を一人でふらふらするのは完全に初の経験だった。しかも発表も英語でやるのはこれが初めてで、もう何もかも初めて尽くし。いろいろたいへんだった。

とはいえ、結論を書くと、シンガポールは初めて行くにはすごくいいのかなーという気がする。安全だし清潔だし交通機関は整っていてモバイルネットワークもどこでも普通に使える。
英語が通じるし、色々ななまりの人がいるからか、発音が聞きとれない、ということに関して割と寛容な人が多いんじゃないかなあと感じた。聞き返してもあんまり嫌な顔されないし、こっちが英語があんまりできないと分かるとすぐにゆっくり丁寧に話してもらえることが多かった。

自分の場合、東京で英語で話す機会がたまにあると、下手な英語をしゃべったり言葉に詰まったりしつつもコミュニケーションをとろうと頑張るんだけど、すぐに自分が何を言ったかを思い返して反省してしまうことが多い。英語の下手さばかりを自分に印象付けてしまってあんまり良くないなとは思っていた。*1

現地にいって否応なく英語にさらされていると、そういう変な内省みたいなものをする暇もなく次々と会話の機会がやってきてぶっちゃけ個々の事例(というか使った英語の文章自体)を覚えてられないので、最終的に「なんとかなった」という気分だけが残った。
今回日本からの他のスピーカーであるところの @_ko1 さんこと笹田さんと @hsbt さんこと柴田さん、どちらも慣れていて動じないし、さすがという感じしかしない。

英語圏で働きたい/生活したいとは特に思わないけど、ソフトウェアエンジニアをやっている以上は英語からはなかなか逃げられないし、自分(達)のOSSプロダクトを広めようと思えば海外の人に使ってもらわないと先がない。そのための最初の一歩としてはなかなか良かったんじゃないかなと思う。

しゃべってきた

で、Fluentdの話。日本のみなさまにはお馴染みの話かなあ。

初めての英語でのプレゼンということで、珍しく事前に資料作って会社で同僚を相手に練習とかもやって、フィードバックをもらって直したりしてた。同僚各位、その節はお世話になりました。

トーク中に聞いてみたところ、Fluentdを知っているかとの質問に会場の1/3くらいの人が手を挙げるということで、えええっ思ったよりは認知されているのだな、と。Q&Aでも既にFluentdのユーザだという人からの質問があったし(内容はメッセージのロストに対する対策は?とのことで、ACKとかの話も含めた回答をした)、そもそも司会役の人もFluentdのユーザだったり。After partyで聞いたところVikiもHQがシンガポールらしくて、そういえばその会社Fluentdユーザだって聞いたことあるわー、みたいな。

終わった直後はさすがに疲れて放心状態。翌日のお昼やAfter partyであれこれ聞いたら、特に聞きとれないような場所もなく普通の発表だったと思ってもらえていたみたい、だと思う。たぶん。
しかもこれまでFluentdを知らなかった人からも割とポジティブな反応がいくつもあって*2、やった甲斐はあった。これでこれまでに増して広まってくれると嬉しいなあ。


その他のRDRCの話

アメリカやその他の地域から来ている有名Rubyistがスピーカーにけっこう多く、その他も東南アジアやインド・オーストラリアなどの各地から来ていてものすごく多彩。いろんな種類の英語があってヒアリングの練習に良い。……そして話の間にはさまる小粋なジョークが聞きとれない&理解できなくてつらい。

とはいえ技術的な話題としては国内のカンファレンスと較べて違いがあるかというと、全体的にはそう違わないと思う。もちろん個々の話はいろいろ面白かったりスゲーなという感じだけど、まあそれは国内でも同じ。
そういう意味で日本のカンファレンスに参加してれば技術的なレベルはまあいいのかもなんだけど、逆に、普段やってることを持ってくればみなさん十分にスピーカーになれますね、と思う。

お昼の時間やAfter partyで、スピーカーをやっていれば顔を覚えてもらえているし話題もあるので話しやすい、というのも国内のカンファレンスとまったく同じ。
さすがにLINEは知られるだけはけっこう知られていて、Fluentdの話のほかにLINE自体の話もけっこう聞かれた。みんな他社が何をどうやっているかというのに興味はあるよなあ。そしてRDRCでそういう話ってほとんどなくて、もうちょっと各社がどういうソフトウェア構成で何をやっているかの話はあってもいいんじゃないかなと思う。

あと台湾から来てる人で自分のスライドとかを物凄く良く読んでくれている人がいて*3、地道に英語で書くようにしているとそういうこともあるんだなあとちょっと感動した。

まとめ

シンガポール、狭いところでいろいろな人種と文化と宗教の詰め合わせみたいになっていて、あらゆる意味で多様性があってものすごい感じだった。とにかく国内でできない経験ばっかりで、だいぶ疲れたけど、行ってみて本当によかった。

多分また次の良さそうな機会があれば、そこにプロポーザルを出してみると思う。その程度にはいい結果だった。楽しかった!

*1:しかしもしかしたらこういう行為のおかげでベターな英語の蓄積が自分の中にできていたのかもしれない、とも少しだけ思う。

*2:しかもGithubから来てるスピーカーの人からも、とか!

*3:質問がものすごく細かいところについての話でびびった