YAPC::Asia 2012 にいってきた&しゃべってきた #yapcasia
今年もやってきた年に一度のPerlの巨大カンファレンス YAPC::Asia TOKYO 2012 にいってきた。前夜祭、1日目、2日目と、今年は日曜にハッカソンにも初参加。フルに楽しんでまいりました。
JPAの方々、ボランティアスタッフの皆様、いつもいつもお疲れさまです。ありがとうございました。
またLTthonに巨大な労力をそそぎこんだ @uzullaさん、本当にお疲れさまでした。LTthonは自分は最初特に興味ない感じでしたが、いざ始まってみるといつ何時に行っても誰かが何かをやっている、という本当に本当にすばらしいスペースでした。がんがん飛び込みで参加したいスペースがそこにある、というのはじつに良いと思います。*1
いろんなセッションを見たし、懇親会(や勝手二次会や後夜祭やら)でも本当に色々な人と話ができて実に楽しかった。
基本的にひとみしりなんだけど、今回のYAPCは人から話しかけてもらえる機会も増えて実に嬉しかった。こういう時に、普段やってることが多少なりとも人に知られているという実感が得られて次に繋がっている気がする。皆様ありがとうございます。
聞いていたセッション中では、前夜祭のtypesterさんのUVの話、はせがわようすけさんのセキュリティの話、あんちぽさんの意識高いコードの話などを特に楽しんでおりました。LTthonも面白い話がいくつもあったし、本編LTも例年通りの高テンションでございました。
毎年思うけど、こういうアウトプットをする人達に自分のアウトプットが届いて役に立てばいいなあ、そうなっていると胸をはって言えるようにしたいなあ、とまた強く思った。
先は長いしやることは多い。ぼちぼちやっていきます。*2
しゃべってきた
Main Talk
で、今年は40分のTalkで応募したところ通ったので、最近やっていることについてのまたひとつの側面、と、そのために書いているツールについて話をしてきた。
作っているもの・やったことそのものについて話すというよりは、世の中にはこういう問題領域があるんだよ、みたいな紹介トークになってしまった。去年書いたこのエントリの通り、できるだけ問題意識とそこへの考え、みたいなことを優先してしゃべった……つもり。
内容はどうだったかなとは思ったけど、後であんな人やあんな人、尊敬するエンジニア何人も含むいろいろな人から良かったと言ってもらえたのが本当によかった。お運びいただいた方々、ありがとうございました。今後何かプラスになれば幸いです。
というかですね、そう大きな会場じゃなかったのは確かだけどがっつり立ち見が出たのもあって、話すのにも久々にだいぶ緊張した。緊張しながら始めて少しして気付いたらぎゃー奥のほうにLarry Wallが座っとるやないかー!みたいなのに気付いて、もうね。ひどいしゃべりかたをしていなかったかが大分心配です。英語で資料書いて本当によかった。*3
話した内容はだいたい以下のとおり。
- 世の中にはバッチ処理とストリーム処理があって、ストリームで処理をするとこんなに嬉しいことがあるんだよ
- でもそのためにはこういう必要があるからこういう機能を実装しないとなかなか厳しいんだよ
- 全部自分でやるのは大変だから既存ツールを使おう!
- その一例として Fluentd というものがあってこういう機能を実現しているソフトウェアだよ!
- ところで Fluentd だと100%フィットしない部分もあるので、Perlでこういうツールを書いてみているよ
詳しくは上記スライド、もしくは後日こちらのページで公開されるはずの動画をご覧下さい。疑問質問はいつでもTwitterなりで @tagomoris までどうぞ。
Lightening Talk
LTも受け付けられたのでやってきた。こっちはtechblogでの告知もあったISUCON2について。YAPCのパンフあわせで告知したけどパンフには詳細がなかった*4ので、まあ概要をということで。
これもだいぶ緊張したけど、覚えてる範囲では粗相なくやりとげた……と思う。笑いを取れる芸風でないのでつらい部分はあったw まあ感想をいくつか聞いたところ「意識高い良い話をしていると思ったらいつのまにか宣伝になっていた」とか言われたのでたぶんある程度は成功してる。
しゃべりながらぶらぶらとステージ中央まで出ていくのは、人に指摘されたりもしましたが @tokuhirom リスペクトの成果です。ビール飲めれば完璧だったが飲食厳禁な空気だった。
で、ISUCON2ですが、スライドにも書いたとおり今年は対象アプリケーションの言語がまた増えます。ほぼ確実に Perl, Ruby, Node.js, Python, PHP は用意できる……はず。Javaは頑張る。なのでYAPC::Asia参加者に限らず、他の言語コミュニティからも多くの参加をお待ちしておりますと言いたい。誰か広めてくれないかなあ。
しゃべってきた系雑感
最近回数もこなしてるし100人超を前にしてもけっこう平気でしゃべれるぜー、みたいに変に慣れていた部分があったけど、今回のYAPCではあっさりくつがえった感があった。いろいろ考えてみたんだけど、言語を軸に行われるカンファレンスでは「お前の話を聞きに来たわけではない聴衆」というのがおそらく聞いている人の大部分だから、というのはあると思う。
普段よくしゃべることになる勉強会は大抵ある程度内容の方向が決まっていて、いくら参加人数が多くても、この方面の話題について興味があるはずの人だ、という前提が置かれていることが多い。tagomorisという人間がしゃべることは参加者募集の段階で書かれていることがほとんどなので、まあそういうケースだと参加者のうちいくらかは自分の話を聞く態勢である、と思っても悪くないと思う。
ところがYAPC::Asiaはたぶん違う。いや複数トラックあるうちで自分のトークを聞きにきてくれる以上は興味が皆無だとは言わないけど、基本的には言語を軸に集まっただけで、興味が持てず話がつまらなければ他のトークに行くだろうし、あるいは席の移動すら面倒で40分退屈を持てあますだろう。
そういったことを自分が本当に無意識にでも気にしていた*5かどうか、今となってはわからないが、そういう感じで緊張があったのかなー、と思う。
そういう人達を前に、自分がどんな問題に取り組んでいるのか、どんなことを面白いと思っているのか、伝える努力を真剣にするというのは非常にいい機会だったと思う。うまくやれていたんだとしたら嬉しいし、来年もやれれば嬉しいと思う。
Fluent::Agentの話
Main Talk でしゃべった fluent-agent だけど、うかつにもリポジトリのURLをスライドに入れ忘れてた。いつもどおりgithubにあります。
http://github.com/tagomoris/fluent-agent
いまだに完成していない、どころか絶賛開発中なのはしゃべった通りで、まだロクに動かないのであんまり試そうとしない方が良いです。現状であれば Fluentd + out_exec_filter を使うと良いでしょう。
fluent-agent は Fluentd が微妙にマッチしきれない領域に使うために作ったものであって、無理に使うものではないです。そういう意味では fluent-agent-lite とはだいぶ位置付けが違います。*6
またベースにしているPerlにおける libuv のバインディング UV.pm について前夜祭のTalkでtypesterさんにひっくりかえされた感が一瞬あって愕然としたのですが、その後「UV.pmの開発に自分から参加すればええんや!」という流れが脳内でできたため、そちらの改良といっしょにぼちぼち進めていこうと思います。
UV.pmの開発にとりあえず参加する過程で XS を書く経験もできそうなので、世の中おそらくそうしたものなのでしょう。
そのうち、使いものになる、と判断できた段階であらためてblogエントリなりを書きます。当初予定していた機能は最低限実装するまでやるつもり。*7
まとめ
YAPC::Asia まじ楽しかった!