2013年を振り返ってみる
今年はよくコードを書いたなあ、という気がする。OSSな年だった。個人の感想です。
Fluentd
今年はプラグイン等を書いた数はさすがに落ち着いた、けどpullreqをよくもらうようになって、人のコードを見る機会が増えた気はする。
今年新規に作ったのはこれだけ。
- fluent-plugin-secure-forward
- fluent-plugin-norikra
- fluent-plugin-ruby-memory-usage-profiler
- fluent-plugin-dummydata-producer
- fluent-plugin-bigquery
- fluent-plugin-buffer-lightening
- fluent-plugin-buffered-stdout
だいたい最後の駆け込みだけど、secure-forward って今年だったのか。暗号化暗号化うるせーなと思って使う予定もないのにガッと書いたら、その後で仕事で使う要件の方がおっかけてきたという酷い話だった。
これに限らず、他の人が書きそうにないから書くかー、というので書いたものが多い感じ。
Fluentdは今年はむしろ v11 を含めた本体へのコミットがそこそこあった。まだまだ直すところが大量にあるのでがんがんやっていきたい。Fluentd関連のblogエントリで主なものはだいたいこんな。
FluentdでバッファつきOutputPluginを使うときのデフォルト値
fluent-plugin-parser supports LTSV!
Fluentd w/ Ruby 2.0.0-p0 のメモリ使用量 (追記: w/ msgpack v0.5.4)
out_exec_filter 入出力フォーマットの変更による負荷の変化
ruby 2.0.0-p195 + fluentd v0.10.35 + msgpack v0.5.5 の組合せが素敵という話
jemalloc外したFluentdのいま
fluent-plugin-secure-forward v0.1系のお話
Fluentd Config DSLについての話
ruby 2.1.0-preview1 を fluentd で試してみた (追記あり) (再度追記あり)
Ruby 2.1.0-preview2 で #fluentd (というかmsgpack)は動きません
Fluentdとはどのようなソフトウェアなのか
自家製 td-agent のrpmをつくる
Ruby/Fluentd/msgpackについて最新の組み合わせをおっかけて試す、みたいなのが意外に多かったんだなあ。あとは誰も書きそうにないものとかをえいやを書いたり。そういうの結構疲れるので、他にもやってくれる人が増えると嬉しい。幸いにしてユーザはすごい勢いで増えたので期待してる。
Norikra
今後、自分の代表的プロダクト……になる、かもしれない、ものを作った。あれ、エントリにはあんまりなってないんだな。もっと書こう。
fluent-plugin-esper構想概略
OSS CEP Server ’Norikra’ v0.0.1 released!
Norikra v0.1.0 released!
Norikraは今後仕事でもどんどん使っていきたいし、広めていきたいと思ってる。超絶便利だと思うんだよ、ほんと。もっと「こういうので便利!」という具体的なケースをちゃんと見付けて広報したいし、ドキュメント書かないとだし、加えたい機能もいっぱいあるし。
本気でメンテしていくので、ぜひみなさん使ってみてくださいな。
そのほか自作ソフトウェア
本番環境でのperl/ruby/nodeのセットアップ
shib v0.2.0
最近の多言語対応User-Agentパーサライブラリ woothee について
カスタマイズ済みのApacheログ書式もパースする Apache::Log::Parser の話
以前作ったもののメンテ/改良が多いけど、最初のエントリに書いてある xbuild はだいぶよかったなーと思う。目のつけどころ勝負で、今のところ色んな人から良い反応をもらった。自分でも便利に使っている。こういうのを増やしていきたいですね。
wootheeもshibも使われている実例を目にしたり話に聞いたりで、嬉しい思いをすることが多かった。もっとあれこれ書こう。
ISUCON
「ISUCON 夏期講習」でのisuconとWebアプリケーションについての話
isucon3予選参戦の記録
isucon3本戦いってきた&勝ってきた! #isucon
出題しているときから、自分たちが出たらどうなるんだろう? という思いはあった。優勝できました。えへへ。
嬉しかったし、いろいろプレッシャーから解放された。
ノウハウ系
GrowthForecastのJSON APIおよびクライアントライブラリについて
HiveでLOAD粒度を自由に変更可能にするパーティション構成
CDH4でHiveServerを使う際の注意点
gemspecにおける依存gem記述上の注意
jrubyでさくさくrspecを実行する(Nailgun or spork)
るりまにpullreqを送る方法、1から10のはなし
Linuxサーバのディスク容量減少アラートが飛んできた!ってときにどう対処するか
MySQLにおいて真とされる値を調べた
RPCメソッド一覧から見るhiveserverとhiveserver2の違い (と、ついでにPresto)
serverspecのアーキテクチャ
いろいろあったなあ。Hadoop/HiveやRuby/JRubyやミドルウェアまわりやら。今後も守備範囲は狭めずにいきたいところです。なんか、そういう方が自分に合ってるかなというのは、今年思ったことのひとつ。
アウトプット系
東京Ruby会議10にいってきた&しゃべってきた
CROSS2013でサービス改善についてのセッションしたよの話
Hadoop Conference Japan 2013 Winter にいってきた&しゃべってきた
#fluentd Casual Talks #2 やってきた&fluent-plugin-secure-forwardの話
Fluentd meetup in Fukuokaにいってきた&しゃべってきた
Riak Serious Talksやった
RubyKaigi 2013にいってきた&しゃべってきた
データ・ストリーミング勉強会にいってきた&しゃべってきた
「Web開発の基礎徹底攻略」という本が出ます
Cloudera World Tokyo 2013 行ってきた&しゃべってきた
Monitoring Casual Talks in Kyotoいってきた&しゃべってきた
Fluentd Casual Talks #3 開催してきた&しゃべってきた
去年の年末に来年はもうちょっと登壇とか減らそうかな、と思ってたけど、減ってなかった。まあいいか。言いたいことがあれば言ってきたし、無理はしていない、と思う。
来年は海外のカンファレンスで話してきたいなあ。NorikraとかFluentdとか、うーん、Fluentdについては他のコミッタの誰かにやってもらいたいけど。Ruby系とビッグデータ系とという感じかな。去年もひとつ応募したんだけど落とされてしまったので、リベンジしたい。
2013年は原稿何も書かなかったですね。そのぶんコード書いてたので、来年はもうちょっとそっちの方向も頑張りたいところ。Fluentd v11とか。Norikraは、雑誌で取り上げてくれるくらいに使われるようになるまでが先だなー。まだ長そうだ。
そのほか
MessagePackのIETFへの提案に関する困惑
くもりのち晴れ、ときどき、コストセンター
dmmのエンジニアと話をしてみたいという話(追記あり)
「就職しました」から3年が経ちました
tagomorisとDMM.comのはなし
ポエム的なのをもっと書いたかなと思ってたけど、意外にそうでもなかった。DMMのアレはなんかすごいことになったけど、そういうことがあるから面白いし、blogエントリという形で書いてあってよかったとも思えた。シンプルだけど、大事なことでしょう。たぶん。
炎上エントリみたいなのはけっきょく書かなかったな。なんか心の中にドロドロしたものが溜まらないとああいうの書けないんだけど、最近はだいたいコードの形で発散してしまってる気がする。
まとめ
言語的には新しいものはほとんどやらなかった。JRubyをがっつり使いはじめたくらいだけど、あれを言語とは言えない気がする。本気で使う気がない言語に手を出すよりはよかったかな、という気はあるけれども……。あとPerl/Rubyのネイティブライブラリの書きかたも結局やらなかった。そういうのとは違う方向に行ってしまったから仕方がない、と自分をなぐさめてる。しょんぼり。
とにかくコードを書いた。来年もそうしたいし、やりたいことも次々湧いてくるのでガンガン突き進みたい。と同時に、やっていることが少しでも周囲の人々や他のOSSプロダクト/コミュニティの役に立っていればなあ、と思う。そのことを主目的にして活動するのはちょっと自分には無理な気がするけど、少なくとも自分がやっていることが他の人にも役立つならすかさず知見を公開する、みたいな姿勢でいたいと思う。